「鬼太鼓座」「鼓童」と共に

年が明けたと思ったのもつかのま、あっというまにもう2月。毎月恒例、白山比咩神社の「おついたち参り」は、ことのほかの賑わい。明日は節分、明後日は立春で、農事暦では新たな作物の播種の準備に入る時期。つまり、農耕民族を祖とする日本人にとって、2月こそは新たな営みのスタートの時期。心して、一粒一粒、新たな種を蒔いていきたいものです。

さて、一昨日、今年節目の年を迎える二つの太鼓集団の面々が訪ねてくれました。旗挙げから50年を迎える「鬼太鼓座」と40年を迎える「鼓童」です。久し振りにあれこれと昔の思い出話に花を咲かせたひと時、思えば私の太鼓人生52年の間、なんと多くの時間を彼らと共に過ごしてきたことか。その「時間」を今も刻んでいるのが、1975年に3尺8寸の大太鼓の締め直しに鬼太鼓座に同行してボストンへ赴いた際に購入したクオーツの腕時計。当時、テレビでは「ウルトラマン」が大人気で、敵と戦うウルトラマンのパワーが低下すると胸のランプがピコンピコンと赤く点滅するのがお決まりのパターンで、このクオーツの時計も設定した時刻になると赤い点滅を繰り返すのが気に入って大事にしてきた思い出の品。これからも休むことなく私と共に時を刻み続け、そして鬼太鼓座も鼓童も、これからも自分たちの芸をしっかり磨いていって欲しいと、切に願った睦月の月末でした。