太鼓の知識(その1)
● 三つ巴......すべてのものは虚と無の二つの宇宙から構成され、陰と陽から成り立っているという太極思想の見方により、たとえば明暗、肯定と否定、男女など、極限の対立と調和をかたどる二つ巴を原点とする。日本に伝えられた二つ巴は、平安時代に奇数による日本的統制の和を示して三つ巴が完成。以後、三つ巴をアレンジしたさまざまな文様が発展した。
● 剣紋......剣は中国では自然力を超越した強大な力の象徴とされ、日本でも神が降臨する際のよりしろとして崇められた。古事記や日本書紀では草薙神剣(くさなぎのつるぎ)は三種の神器の一つに数えられ、今も端午の節句には欠かせない飾り物となっている。
● 雲......つねに千変万化し、何かの気配を示すもの。龍や鳳凰など瑞祥の周囲に描かれることが多く、また雨を降らせて五穀豊穣を導く象徴でもある。
● 黒、赤、青(緑)、黄、白......陰陽五行思想に基づく、日本におけるもっとも初発的な色彩。青は緑も含む。青は方位では東、季節では春を表し、赤は南と夏、白は西と秋、黒は北と冬を表す。
これらはすべて中国の神話や儒教、仏教に由来するものですが、日本では同じく中国から伝わった仏教と独自の融合を果たし、仏具にも日本独特の華麗な様式美を描くに至ったのです。紋様、色彩の意味を理解すると楽しいです。日本人の文化誇れますね。